航空整備士は3Kなのか
3Kとは「きつい」「きたない」「きけん」
「きつい」「汚い」「危険」いわゆる3K職場という言葉は1980年代に使われるようになったようです。
バブル経済の中で就職市場は完全な売り手市場。世の中に職があふれているという状態でした。
そのため3Kの職場は避けて、きれいで安全で華やかな職種に人が流れていった時代だといえます。
そんな中で3K=労働条件が悪いということで避けられてきました。
代表的な3Kの業界としては、建築業、清掃業、介護業や看護業などがあります。
航空整備士はまさに3K職種である
みなさん今週の作業内容を思い出してみましょう。
「きつい」・・・暑い中空調も効かない格納庫で毎日汗だくになりながら働いてる
(もしくは寒い吹きさらしのエプロンで震えながら飛行間点検)
「汚い」・・・いつもグリスやシーラント、塗料で手が汚いかも
「危険」・・・高所作業も多いし、この間は燃料タンクに入って点検作業しましたわ
3K要素がいっぱいの作業ばかりですね。
むしろ3Kしかないと言っても過言ではありません。
「危険」に関して言えば、会社規模が小さければ小さいほど危険度が増すと考えています。
小さい会社は概して安全対策にお金がかけられないからです。
例えば作業時の保護具、作業床のある足場、航空機メーカー純正のスペシャルツール
どうでしょう、皆さんの会社は物品が充実していたり、ルールはちゃんと決まっていますか?
航空整備士の平均年収は?
では一方で給与面はどうなのでしょうか。
3K職種であっても、それに見合った給与、年収であるなら、問題はないといえます。
大手エアラインで600~800万円
ここでいう大手エアラインというのは、JAL,ANAの本体社員です。
整備士の平均年収で600~800万円程度だと言われています。管理職へ昇進すれば1,000万円の大台も超えるでしょう。
しかし現在、現業部門はほとんどが整備専門会社へ移管されてしまったので、少数になってしまいました。
大手エアラインに所属する整備士は年収も高く、福利厚生も手厚いため、待遇はとても良いといえます。
整備専門会社、LCCで500~600万円
エアラインの機体整備はほとんどが、グループの整備専門会社へ委託という形がとられています。一番の目的は人件費の抑制です。
ともすればもちろん大手エアラインの給与水準からは低くなってしまいます。
これらの企業に属する整備士の平均年収は500~700万円だと言われています。
年収としては少し見劣りする額になってしまいますが、福利厚生では大手エアラインに準じた制度となっている会社が多く、一般企業からすると手厚い内容になっています。
ちなみにスカイマークやスターフライヤーなどの準大手エアラインは上記の大手エアラインとのちょうど中間あたりに位置すると考えてください。
ジェネアビで400~800万円
産業航空、いわゆるジェネアビですが、一口にジェネアビと言っても企業規模も事業内容も様々です。
小さい規模のジェネアビでは薄給の場合も多いですが、企業によっては大手エアラインをも凌ぐ給与水準のケースも見られます。
ひとくくりにしてしまうのは難しいため幅が大きくなっていますが、概ね500~700万円程度に収まると思います。
福利厚生面でもやはり小さい会社では制度も乏しい一方、充実した制度を備える会社もあり、様々です。
また、ジェネアビでは夜勤は無いのが一般的です。
まとめ
国家資格を持つ整備士の給与面での待遇は日本の平均年収と比べても高く、福利厚生に関しても充実
している傾向があると言えます。
しかしこの給与の中には夜勤手当や危険手当等も含まれていることから、業務の特殊性を考えると十分な待遇とは言えません。
業務内容に対する給与の低さが離職率の高さにつながっていることは言うまでもありません。
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まずは転職サイトと転職エージェントに登録して、情報収集を始めましょう。
すぐに転職する意思はなくても、求人のリサーチや転職活動に向けての準備作業はやって損はありません。
結果的に転職しなかったとしても得るものが多く、今後の人生をよりよくしてくれるでしょう。