異業種への転職

夜勤・交代勤務が体を蝕む。航空整備士の体力面でのつらさ

エアライン整備士の勤務形態では夜勤や交代勤務が発生することが多いですね。

交通インフラの一端を担うエアラインでは夜間整備は免れないものです。またエアラインとしても機体のダウンタイムは出来るだけ短くしたいですから、企業としての競争力を考えると必然的に交代制で整備作業を行うことになります。

では夜勤や交代勤務にリスクはあるのでしょうか?

感覚的には疲労感大きいしリズムは崩れるし体に良くないとは感じているものの、本当のところはどうなの?と感じたので調べてみました。

夜勤・交代勤務のリスク、問題

健康のリスク

夜に働くリスクとして一番大きなものはやはり健康リスクでしょう。

睡眠を取る時間帯や、睡眠の質により体内時計が狂います。

体内時計、薬学用語で「サーカディアンリズム」といいますが、このリズムが崩れることで発がんの確立が上がることが明らかになっています。

夜勤従事者は日勤者に比べて発がん確率が2倍以上に高まるという研究結果が発表されています。

特に男性の前立腺がんでは2.77倍、女性の乳がんでは1.5倍に高まるそうです。

がん以外にも糖尿病のリスクも大幅に上がります。

アメリカのハーバード公衆衛生大学院の調査では交代勤務が長いほどリスクが上がり、3~9年で20%、10~19年で40%、20年以上で58%もの発症リスクが上昇していました。

そして健康リスクは肉体的なものだけでなく、精神面でも影響を及ぼします。

不規則な勤務シフトによって自律神経が乱れることにより、自律神経失調症やうつのリスクも増大します。

夜勤と睡眠障害の関係についてはこちらのクリニックのサイトをご覧ください。

様々な文献や研究発表を基に分かりやすく解説されています。

夜勤・交代勤務の睡眠障害はどんな症状ですか | 阪野クリニック (banno-clinic.biz)

仕事上のリスク

航空整備の業務はささいなミスも許されない現場です。

ところが深夜勤務においては深夜~朝方にかけて睡眠の出現傾向は高くなり作業ミスも多くなるという研究結果があります。

これは体温変化にも関係があるそうです。

人間の体温は一日の中で周期的に変化していて、これが作業能力や行動量、眠気の出現にも関係しているという事です。

夜勤勤務について非常に参考になるガイドラインがありましたのでリンクを貼っておきます。

yakin_guideline.pdf (nurse.or.jp)

プライベートのリスク

夜勤やシフト勤務はプライベートにも大きな影響を与えます。

友人や家族と時間が合わない、すれ違いが発生するというリスクがあります。

友人であれば同じように夜勤の友達を作ればいいのですが、家族は替えがききません。

すれ違いから会話が少なくなり離婚・・・なんてケースもよく聞きます。

子供のイベントごとにも立ち会えず、家族旅行も行けないなんて何のために働いているか分からなくなりませんか?

夜勤・交代勤務のメリットはあるのか

ここまで夜勤のリスク・デメリットについて解説してきました。

ではメリットは無いのか?という観点で考えてみたいと思います。

給料が割増しになる?

深夜時間帯である22時から5時の間に働いた分の賃金は25%割増しになります。

さらに夜勤手当がある会社ではさらに1勤務当たり数千円~1万円程度が上乗せされることになります。

でもよく考えてくださいね。

割増しのお給料をもらったとしても体やこころを壊してしまっては元も子もありません。

プラマイゼロならまだしも、仕事を続けられなくなる可能性だってあるのです。

よって夜勤は「百害あって一利なし」と言えるでしょう。

航空整備士を辞めて転職したくなったら

まずは転職サイトと転職エージェントに登録して、情報収集を始めましょう。

すぐに転職する意思はなくても、求人のリサーチや転職活動に向けての準備作業はやって損はありません。

結果的に転職しなかったとしても得るものが多く、今後の人生をよりよくしてくれるでしょう。

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