同業他社への転職

航空整備士を続けるメリット②将来安泰の仕事で先が見通しやすい

今回は航空整備士を続けるメリットシリーズの第二弾です。

テーマは前回の「整備士を続けるメリット①今後需要は拡大し、有資格者は重宝される」から引き続き、航空整備士の将来性についてです。

前回は需給に関する視点で解説しましたが、今回は『AIやロボット』という観点で職が奪われる心配は無いのか。という部分について言及していきます。

航空整備士はAIに仕事を奪われることは無い

結論から申し上げると、『航空整備士の仕事がAIに取って変わることは無い』と考えられます。

その理由について解説します。

日本の49%の仕事はAIに代替可能

株式会社野村総合研究所のレポートによると、日本の労働人口の49%が働く職種はAIに代替可能であると言及しています。

【参考】株式会社野村総合研究所:「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」

これはアメリカのオクスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授とカール・ベネ ディクト・フレイ博士の共同論文である「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?」での研究結果によるものです。

この研究によると仕事のIT化、オートメーション化によって米国内の47%の人口が就く職業が将来的に消滅するだろうと結論付けています。

その中の消滅可能性が高い職業、低い職業を少しだけピックアップしました。

消滅可能性が高い職業

  • 貨物・運送代理店:99%
  • 調達担当者:98%
  • 歯科技工士:97%
  • 一般事務員:96%
  • 建設機械オペレーター:95%

消滅可能性が低い職業

  • レクリエーションセラピスト:0.28%
  • メカニック、整備士:0.3%
  • 作業療法士:0.35%
  • 小学校教師:0.44%
  • メイクアップアーティスト:1%

最も消滅可能性が低いグループにメカニック、整備士が含まれていることが分かります。

整備の仕事でAIを導入できる領域は限定的

そもそも、整備士が担う仕事の中でAIを導入できる部分は非常に限定的だと言えます。

整備士の仕事がAIに取って代わるというよりは、導入することで整備作業の効率化を図るというイメージでしょうか。

例えば過去の不具合発生時のあらゆるデータを学習させることで、トラブルシューティング作業の迅速化は図れるでしょう。

また現在の信頼性管理方式を更に実情に即した形に進めることも考えられます。

業務の大部分は人の手による作業が必要

一方で航空機整備の実作業においては人の介入は必要不可欠であるのは変わらないと言えます。

ですから、機体管理や整備作業のおぜん立てをAIによってサポートして、人間は整備作業に集中することで全体の効率化を図っていく形になると考えられています。

ロボットに取って代わられる事も考えにくい

上でも少し説明しましたが、実際の作業の部分に関してはAIやロボットの介入は限定的であると考えられています。

その理由については整備士の皆さんは実感されていると思いますが、念のため説明しておきましょう。

狭小スペースでの作業が多い

整備作業は広いスペースで楽な体制で作業、という訳にはいきません。

体がやっと入るスペースで必要最低限の工具を持って作業することも良くありますよね。

そこに入る作業ロボットが作れるかと考えたときに、あらゆる作業が可能な汎用ロボットでは大きくなりすぎて、アクセスは不可能だと言えます。

そうなると各作業の専用ロボットが必要になりますが、個別のロボットを作っていてはコストがかかりすぎてペイできないのは容易に想像できるでしょう。

感覚による不具合特定、整備作業ができない

整備士は感覚によって不具合を見つけることも多いと思います。

五感といえば言い過ぎですが、少なくとも4感(視角、聴覚、嗅覚、触覚)は整備士として非常に大事な感覚ですよね。

それをロボットで再現することは非常に難しいと言えるでしょう。

業務内容も待遇も大きな振れ幅は無いと想定できる

良くも悪くも成熟業界で振れ幅は小さい

日本の航空業界は欧米に比べると遅れは取っているものの、2010年代前半にはLCCも定着して業界として成熟フェーズに入っています。

まだ原油価格やコロナウイルスによる業績の一時的な落ち込みはあるものの、事業内容としては安定していると言えます。

成熟した業界では飛躍的な成長はないものの、流行り廃りがあるわけでもなく、ゆるやかな右肩上がりが期待できます。

それは働く側としては2つの意味を持ちます。

一つ目は10年20年先を考えたときに、自分の業務内容が大きく変化する可能性が低いという事。

それには従業員自ら事業の行く先を案ずる必要が無く、自分の専門とする業務に集中できるというメリットがあります。

具体的に説明すると、整備士として定年まで働きたいと考えたとします。

その間3~40年のあいだで新機種が導入されることはあれど、本質的にやることは変わりなく、

次はあの機種のライセンスを取りたいな

とか

何歳までに現場リタイアして管理側に行きたいなとか

明確に想像してプランを立てることができます。

二つ目に年収など待遇面を考えたときも大きな変動はなく、こちらも会社の成長に伴ってゆるやかに伸びていきます。

将来を見たときも何歳時点でいくら、定年間際でいくらというのは計算しやすいのがメリットです。

逆に言うと、あるとき突然年収が飛躍的に増える。

という事も起こりません。

それは大きく稼ぎたいと思う人にとってはデメリットでしょうか。

大きく年収アップさせたい人は

今の給料に不満があったり、将来今より1.5倍、2倍の給料を稼ごうと思ったら同じ仕事をしていては実現できません。

年収は本人の能力によって決まるわけでも、入った会社によって決まるわけでもありません。

働く『業界』によって大方の給料は決まってしまいます。

給料を飛躍的に伸ばしたい方は転職活動を始めましょう。

航空整備士から未経験転職を目指すなら、こちらの記事を参考にしてください。

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