航空整備士が転職を考える理由の上位に「仕事の心理的ストレスの大きさ」があります。
みなさんどんなストレスを感じて辞めていくのでしょうか。
航空整備士の心理的ストレスの種類
タイムプレッシャー
整備士の仕事は常に時間との闘いです。特にライン整備や運航整備と呼ばれる飛行間の点検・整備作業を行う部署では分単位のスケジュールで動いています。
自分の作業の遅れが即遅延につながってしまうため、常に時間に追われている焦りの中で業務を行う必要があるのです。
何も不具合が無ければいいですが、事前に不具合情報が入っているときや飛行間点検中に不具合を発見した場合が問題です。即座に判断し、部品交換やMELの適用、欠航などを決断する必要があります。
またドック整備や工場整備においても、決められたスケジュールの中で多くの点検作業、整備作業をこなす必要があります。
入渠から試運転が完了するまで、心のどこかで常に焦りは感じているのではないでしょうか。
そして航空整備士は整備作業だけをやっていればいい訳では無く、書類の作成などの作業量も多く、心理的ストレスを感じている方は多いです。
資格受験のプレッシャー
航空整備士は生涯勉強の職業です。
もちろんそれは承知の上でなったわけですが、それでも学生の頃とは家庭環境も違えば集中力や記憶力などの衰えも出てきます。
その中で数年おきに次々と資格を取得していかなくてはならないのは、大きなプレッシャーであり、ストレスです。
ここで試験に落ちてしまった次受験できるのはいつだろう。もっと勉強しなければ。
もう合格後の仕事もアサインされているのに、合格できなかったら会社に迷惑をかけてしまう。
など勉強のストレス、不合格のプレッシャーなどが整備士を続ける限り、重くのしかかります。
航空事故や不具合による欠航・遅延の恐怖
これが一番ダイレクトに感じるストレスではないでしょうか。
自分のミスが欠航や遅延につながるばかりか、最悪のケースでは航空事故に発展する可能性すらあります。
確実になんの間違いもなく作業を完了したという自信はあれど、やっぱり不安なものは不安だという方も多いのです。
人の命を預かる仕事ですから、一定の責任感は必要ですが、それがプレッシャーとして必要以上に重くのしかかってくる、というのもまた現実です。
自分のミスでなくても遅延が発生したり装備品が壊れていたりすると、書類の作成や報告に大きな労力が必要になりますから肉体的にも精神的にもストレスがかかります。
騒音から受けるストレス
航空整備士の働く環境はお世辞にも良いとは言えません。
特に騒音に関しては健康に大きな影響を与えるのです。
整備士のはたらく空港や工場の中は、さまざまな騒音であふれています。
ランナップの騒音、リベット打ちや機械加工の騒音、整備機材の発する騒音。。。
騒音の悪影響は肉体的な影響にとどまらず、メンタルにも影響するというのが分かっています。
イライラや集中力の低下からはじまり、最終的には食欲減退や不眠にまで発展してしまうそうです。
転職したいと思ったら
ストレスの感じ方は人それぞれです。
時間に追われていようと、難しい作業だろうと、たんたんと業務をこなせる人もいれば、プレッシャーに押しつぶされてしまう人もいるでしょう。
どちらが良いとか悪いとかそういう問題ではありません。人それぞれ性格は違いますから、仕事も向き不向きがあるのも当たり前です。
もう無理だと思ったらまずは気軽に転職活動を始めてみてはどうでしょうか。
色んな世界をみてみることが良いと思います。
最終的に転職せずに整備士を続ける判断をしたとしても、転職活動を通して得た経験、知識はあなたにとって財産となるのは間違いありません。