はじめに
航空整備士の皆さんは自分自身のキャリアアップについてどうお考えですか?
今回は転職という選択も含めた理想のキャリアアップの方法を見つける方法を解説していきます。
航空整備士のキャリアアップについて
航空整備士のキャリアアップの方法としては大きく3つの方法があります。
- ライセンス拡張
- 管理部門へジョブチェンジ
- 他業種へジョブチェンジ
①ライセンス拡張
整備士として新たな機体のライセンス取得を通じてキャリアアップ、給与向上を目指していく道です。
整備の道を極めていく職人的な道でもあります。
この方法は多機種を運航しているような大手企業に勤めている方にとっては、転職する必要が無いので選択しやすい方法になります。
一方で運航機が少ない中小企業や官公庁に努める整備士にとっては転職が必須となってきますね。
これまでの経験や身につけてきたスキルを今後も積み上げていくような一番堅実的な道だと言えます。
デメリットと言えるかは分かりませんが他の選択肢と比べると、先が見通しやすいということ。裏を返せば爆発的な給料アップは望みにくいという点だと思います。
②管理部門へジョブチェンジ
社内、あるいは同業他社で整備管理や整備企画などの管理部門へ異動・転職する道です。
現業部門では管理職のポストも限られていますから、自ずと将来的なポジション、給料も頭打ちになるでしょう。
一方管理部門へ異動できればその先は整備全体の管理業務や経営にまで携われるようになるので、給料アップも望めます。
整備士には生涯現場で整備士を続けたいという人と、将来的には管理業務に軸足を移していきたいという2つのタイプがいると思いますので、ご自分の将来像に照らして選択するのが良いと思います。
③他業種へジョブチェンジ
上の①、②の選択肢とは一線を画す道になります。
これまで整備士としてつちかった能力や経験を活かして、全く違う仕事に転職してキャリアアップを目指す方法です。
業界も職種も未経験となる場合が多いので、色々なものをまた一から築いていく覚悟が必要である一方、今の仕事に対して抱えている不満や悩みを一発で解決しやすい、逆転満塁ホームランが出やすい道でもあります。
転職軸を決める
上で3つのキャリアアップの方法を述べましたが、どれが最適な道なのかは個々人で変わってきます。
将来の自分の姿を想像したときに『どうなっていたいか』という軸を決めましょう。
それがキャリアアップを目指すうえでの転職の軸になります。
転職軸の決め方はこちらの記事で紹介しています↓
【航空整備士の転職】転職の成功/失敗の分かれ目は準備作業にあり。転職軸20例紹介
転職サイトやエージェントを活用するメリットについて
転職活動をする際に転職サイトや転職エージェントを利用するメリットは次のようなものがあります。
- 多数の求人に出会える
- 求人情報を検索しやすく、自分に合った求人にアクセスしやすい
- 自己PRや履歴書の作成支援、面接対策など転職に必要なツールを提供してくれる
- 転職に関する情報や相談にも応じてくれる
- 自分の市場価値が分かる
もちろん各企業や官公庁のホームページなどに情報を取りに行けば求人情報も得られたりします。
しかしすべての求人が自社サイトに載っている訳では無く、また自分の知らない企業の求人に出会うためには転職サイトやエージェントの力を借りるしかないわけです。
転職業界って一癖も二癖もある業界だと思っています。
アピール方法、面接ノウハウ、待遇交渉、、、対策すればなんてことはない事でも、初めての転職では分からない事も多いと思います。
最短で自分の望むキャリアアップの道を歩むためには、転職のプロのサービスや力を借りる必要があるのです。
そして私が個人的に最も大きなメリットだと思うのが⑤で挙げた「自分の市場価値が分かる」です。
転職エージェントに登録すると担当のエージェントがついてくれます。
面談を重ねながら自分の持っているスキルや強みなどを整理してくれるのですが、そこからマッチする業界や企業を教えてもらえたり、逆に理想の転職をするためにはこのスキルや経験が足りない、というような具体的なアドバイスをもらうことが出来ます。
自分が思ってもみなかった業界のことをしれたり、面白そうな仕事を紹介してもらえるので、純粋に面白いです。
人気Youtuberで、転職する気がなくても定期的に転職エージェントに登録して、自分の市場価値を知ることがキャリアアップの近道と仰っている方もいましたが、これには全力で同意します。
多くの転職エージェントは今すぐ転職を考えていなくても登録だけでもどうぞ、というスタンスなのでお言葉に甘えてオンライン面談くらいまではやってみるべきかなと思います。
転職サイトで理想の職場を見つけるためのポイント
総合転職サイトにも得意不得意がある
一見オールラウンダーに見える総合転職サイトですが、よくよく調べると各サイト特徴があって得意不得意があるのが分かります。
どんな違いがあるのでしょうか。
業界や職種の偏り
大手の総合転職サイトであったとしても、それぞれ得意な業界や職種は少しずつ異なっています。
例えばメーカー系企業に強いサイトもあれば、営業職を得意とするサイト、ハイクラス求人が多いサイト、外資系に強いサイトなどもあります。
航空整備士として同業他社へ転職を目指すのであれば航空整備士の求人数が多い転職サイト
航空整備士の経験を活かして異業種の技術職へ転職を目指すなら技術系に強いサイトを選ぶ必要があります。
対応地域の偏り
対応地域については大手総合転職サイトを選べばそこまで偏りはありませんが、中小の転職サイトを使うと地域を限定こそしていませんが、明らかに首都圏の求人に特化しているサイトや関西地方に強いサイトなどもあります。
住んでいる地域ではなく、働きたい地域に強い転職サイトを選ぶようにしましょう。
募集年代の偏り
これも転職サイト側で明言している場合とそうでない場合があります。
20代の若手向けの求人が豊富なサイトや逆に30代以上である程度実績を積んだ方への求人に力を入れているサイトなどがあります。
転職サイトは転職エージェントと違い担当は付いてくれませんので、自分で調べて判断していく必要があります。
航空整備士向けの転職サイト選び方とポイント
転職サイトを1社に絞ることはリスクである
いくら大手転職サイトを選んだとしてもすべての求人をカバーすることは出来ません。
ましてや希望する企業がどこの転職サイトに求人を出しているかも分かりませんよね。
1つの転職サイトにしか登録していなくて、そこに希望の企業・職種の求人が無い場合が問題です。
本当に求人をしていないのか、他の転職サイトに求人を出しているのかを判断することが出来ません。
「転職サイト選びを失敗するとスタート地点にも立てない」というのはこういう意味です。
おすすめは総合転職サイト3社+特化型1社
それじゃあ手あたり次第登録すればよいのかというと、そうでもありません。
当然数ある転職サイトの求人を全て見るわけにもいきませんし、登録だってプロフィールを入力したり職務経歴を打ち込んだりと、ある程度手間暇がかかるのです。
働きながらの転職活動の場合、そんな時間はありませんよね。
そこで当サイトでおすすめするのは
総合転職サイト3社+特化型転職サイト1社
です。
総合転職サイト3社で大抵の求人はカバーできます。
そこにプラスして各々希望する業界や職種、働きたい場所などに強い特化型の転職サイトに登録すれば、転職サイト選びに関しては間違いありません。
目的に合った転職サイトを選ぶ
理想の転職を実現するためには、目的にあった転職サイトやエージェントを選ぶ必要があります。
- 他社で航空整備士として働きたい人向けの転職サイト
- 他業種への転職を目指す人向けの転職サイト
航空整備士の転職は大きく分けて上記の2つがあると思います。
(どちらを目指すかという問いに対しては別の記事で解説していますので、そちらを参照してください)
どの転職サイト・エージェントが良いかは私が実際に転職活動をする中で感じたことを踏まえてご紹介します。
航空整備士の転職 成功事例の紹介
転職を成功させた方々の実際の事例をいくつかご紹介します。
すべて筆者の知人の実話に基づいていますので、実現可能なものとしてぜひ参考にしてください。
【成功事例①】外資系エアラインへの転職でライセンス拡張
日系のエアライン系整備会社で飛行機の整備士をしていたAさん(保有資格:一等航空運航整備士)
外資系エアラインのホームページより求人情報を確認、直接応募して見事合格。
その後2年かけて新機種の一等航空運航整備士資格を取得し、整備士としての幅を広げることができました。
また社風や社内制度も日系企業とはまるで違うとのことで、責任は大きくなったけど毎日の仕事が楽しいとのことでした。
【成功事例②】公務員に転職し年収UP
航空機使用事業会社で固定翼整備士を約10年経験したBさん。
小さい会社だったこともあり、運航機の整備資格はすべて取得してキャリアアップの道に悩んでいたところ公務員の募集情報を目にして応募、合格したそうです。
現在は航空会社や航空機メーカーとやり取りしながら検査等の業務をしているとのことでした。
(整備士ではなく監督官庁系のため、ご本人の希望もあり詳細な記載は控えさせていただきます)
【成功事例③】医療機器フィールドエンジニアに転職し、働き方改革成功
使用事業会社で回転翼整備士をしていたCさんは残業が多く、家族との時間が思うように取れないことを不満に感じていたそうです。
物は試しと転職エージェントに登録し、あらゆる業界・職種への転職可能性やワークライフバランスなどについて相談しました。
担当エージェントに紹介された「フィールドエンジニア」という職業に興味を持ち、その中でも安定かつ成長を見込める医療機器業界を選ばれました。
結果として転職は成功し、給料は微増、残業はほぼ0になり、家族との時間も増えて大満足の転職となったとのことです。
【成功事例④】建設・建築業 施工管理に転職し、年収UP
こちらも国内大手で回転翼整備士をされていたDさん。
一等航空整備士を取得してから、業務量が激増した割に給料の伸び悩みに不満を持っていたそうです。
また腰も痛めてしまい、間接部門か体への負担が少ない職種への転職を希望して、転職サイトと転職エージェントに登録しました。
転職活動を始めて1か月ほどで建設現場の管理を行う、施工管理職への転職を実現させました。
機械から電気まで幅広い知識を持っていることが面接の中で評価され、業界未経験ながら採用が決まったとのことです。
結果として希望されていた夜勤なしを実現したうえで、給料は約100万円の大幅アップを果たしました。
まとめ
転職サイトを活用した航空整備士のキャリアアップの可能性
ここまで説明してきた通り、航空整備士がキャリアアップを図る上で転職サイト・転職エージェントの活用はほぼ必須といっても過言ではないでしょう。
航空整備士としてキャリアアップを目指す道、それから整備士として培った能力や経験を活かしてジョブチェンジを目指す道、どちらも十分可能だという事が分かっていただけたのではないでしょうか。
今後のキャリアアップに向けた具体的行動
今後あなたが取るべき行動をまとめましたので参考にしてください。
- 転職で実現したいことを明確にする
- 転職の軸を固める
- 転職サイト・転職エージェントへ登録する
それぞれ別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
そしてキャリアアップに向けて具体的に動いてみようと思ったあなた、転職サイト・エージェントに登録するところから一歩踏み出してみましょう。
航空整備士がキャリアアップする上で欠かせない転職サイトをまとめましたのでぜひご覧ください。
航空整備士のための転職サイト4選:新たなキャリアの可能性を探る
筆者の私が転職活動をしていたときに実際に使ったからこそ分かるリアルな感想も書いていますのでぜひ参考にしてください。